筆者は携帯電話はほとんど使わない。なのになぜ持っているか? それは車を運転して事故った時の緊急連絡の為に必要と思っているからだ。都会と違って地方は家も近くに無ければ公衆電話もないところが多い。
以前大雪の時に走行中スピンして脇にぶつかり車が動かなくなったとき、何の連絡手段も無いと言う苦い経験が、携帯を持たないといけないと渋々認めざるを得なくなってしまったのだ。
先月まではドコモの携帯を使っていた。しかし、その携帯電話はワンセグが付いおり、テレビを廃棄しNHK受信契約を破棄するにはその機能を持っていると出来なくなるのだ。
今の時代、そしてこれから何十年も個人や企業は経費節減、低コストを追求せざるを得ない。これまでの時代は、いらない高機能商品やサービスを売りつけて企業やNHKなどの半国営企業、行政は高い利益率を保っていたのだが、そうはいかなくなったのだ。
NHK受信料はワンセグを所有していても適用されてしまう。法律の拡大解釈の様に思えるのだがしょうがない。ろくに見ない、そして時々見ると気分の悪くなるプロパガンダニュース番組や下劣なバラエティ番組のために年間1万以上の料金を支払いたくない。おまけに筆者はBSにも加入しているし、かつてはCATVにも加入していた。NHK受信料は年間2万5千円以上で、CATVは年間18000円。年間計4万以上も大して見ない、気分の悪くなるテレビに金をかけていたのだ。この金額はコンパクトカー用のフルカバータイプの自動車保険より高い。
携帯電話は一部のスマートフォン以外ほとんどがワンセグ内蔵だ。これは携帯キャリヤやメーカーがNHKとの良好な関係を生むためにそうしているとさえ思えるほどだ。ワンセグなしの携帯を選ぼうとすると、ドコモの従来型の携帯電話では「らくらくホンベーシック」とLGの安物携帯だけになってしまう。どちらもその機種の代金を支払ってまで機種変更する程のものではない。無論、新規加入ならタダで手にはいるだろう。筆者の場合はMNPをしてタダでワンセグなしの携帯を手に入れた方が安上がりだ。
それで選んだのが京セラのK010だ。ドコモで言うらくらくホンに相当する携帯電話で、年寄り用だが防水、防塵対応だ。これは緊急連絡用を考慮すれば必要不可欠と言わないまでも無いよりはずっといい。トラブル時は周囲の環境が悪いのは当然なのだし。
また緊急連絡用の機能として、防犯ブザー音を出す機能があり、それと連動して指定のメールアドレスにメールを出すこともできる。そのメールにはGPSで取得した現在位置を示す情報が送信される。
着信があったように見せかけるフェイク通話という機能があり、説明書によると「暗い夜道などで通話しているふりをすることで周囲の注意をそらすことが出来ます」という。これも防犯対策であり、トラブル対策用としての機能だ。
ICレコーダも内蔵している。これは犯罪や怪しい組織と関わり合いになったときに使えるだろう。
そして肝心のランニングコストなのだが、auのプランEを選べば月780円程度で済む。
ただ、ゼロ円携帯を購入時には契約時にいろんなサービスに加入することが条件になっており、それを解約せず契約し続けると筆者の場合、何も通話しなくても月2000円程度取られる。無論最低1ヶ月その余計なサービスに加入した後、解約すればいい。
プランEははじめからパケ放題が適用されて、メールはパケット料金無料だ。その代わり無料通話(1000円)は無い。メールを頻繁にする人ならお得なプランだが、筆者は携帯メールもしないから、インターネットサービスであるEZweb(ドコモで言うi-mode 月額315円)もいずれ解約する。メールは使えなくなるが、SMS(ショートメッセージサービス)であるCメールは使える。1通3円程度だ。SMSは最近になって携帯キャリアに関係なく送受信できるようになった。ただ対応機種でないと駄目だ。古い携帯は駄目だろう。K010は対応機種である。そして緊急地震速報としても使われるようだ。まあ、筆者の場合常に電源をOFFにしているし意味がない。基本的に車を運転中の時にだけ携行するので、その際ラジオはよく聞いているのでほとんど意味がない。
携帯電話は大規模災害時に使えないのは先の震災でも明らかだ。緊急連絡としての携帯電話は自分個人だけに起こったトラブルの時のみ対応できる。
また、auだとドコモと違ってサービスエリアが広くないが、必ずしも携帯キャリアが示したサービスエリアだけしか使用できないわけではない。自宅はauのサービス外だが、購入する前にau販売店で携帯を貸してもらい電波状況を確認したら、かろうじて大丈夫だとわかった。これはauを全社的に使っているヤマト運輸が自宅で電子決済する際に電波状況が良くなっていた事を知っていたから大丈夫だろうとは思っていた。
見晴らしの良いところならサービスエリア外の山の頂上付近でもOKだろう。しかし谷底付近は駄目だろう。無線(ハンディ機)でも無理だろう。全てのインフラがズタズタの場合は無線(アマチュア無線)が活躍すると思われるが、電話と違って電波が届いていても受信する人がいなければ全く役立たずだ。
携帯電話が普及するのに伴ってアマチュア無線は廃れてしまい、ハンディ機が扱う144/430MHz帯はガラガラである。自宅周辺では業務として常に車を運転しているドライバーにのみ使われる程度になってしまっている。
だからアマチュア無線は今でも活動が活発なHF(短波)帯をサポートしている物が必要となるが、HF帯対応のハンディ機はもうなく、B5サイズ程度のものが1機種かろうじてある程度だ(YAESU FT-817ND)。加えて電波の波長が長いためにアンテナなど機材が大がかりになりやすい。
今の携帯電話はアンテナが完全に筐体の中に隠れてしまっているが、昔はロッドアンテナが付いていたのが普通だった。最低でもアンテナ端子を付けてくれれば、緊急時に金属線を繋げて不感地帯でも通信できるようになれると思うのだが….