バーチャルマネーを操る賊(ぞく)を見たらシカトしろ!

「円の支配者」の著者で知られるリチャードAヴェルナー の最近出した本は興味深い。

この本は多分高校生程度の知識があるなら十分理解できると思われる。最近テレビで83歳で大学生になった男性を報道していたが、この人は経済学を専攻し、日本経済について興味があるという。でも多分大学で教えられている経済学はペテンだろうから訳わからんだろうな。アダムスミスとかケインズ、ハイエクなどは権力者に雇われた大衆を騙す経済学者だそうだから。だからこそ多分真実に近いことを書いたヴェルナー氏の本は読んでいただきたいね。しかし筆者は購入していない。単にケチだからだ。

この本は信用創造すれば日本経済はすぐに回復すると述べているのだが、この信用創造というのはジョンコールマンの本(300人委員会バビロンの淫婦)によれば、魔法の公式と言われているものだ。両者とも無から有を生み出すものと述べていて、ヴェルナー氏は銀行が多くの企業に融資していくことで景気が回復すると言い、コールマン氏はペーパーマネーは簡単に負債を生産することができるから、権力者が戦争しやすくなったと言っている。ただし、コールマン氏は中央銀行制度の弊害について述べたものであり、ヴェルナー氏は(中央銀行ではない)銀行本来の業務を重視した経営にせよいう主張なので問題にしている視点が違う。
 
 それではなぜ無から有を生み出せるといえるのか?これは預金者が銀行に預金して、その何割かを銀行が企業に融資する。そしてその企業はまた別の銀行もしくは同じ銀行に預金すれば、それを使って銀行がまた融資するというのを繰り返すと、全体としてのカネは最初の預金者が預けたカネより何倍にもなるからだ。ヴェルナー氏によればそれが信用創造なのだという。(なんだかよくわからん名称だ)

これを数学的に単純なモデルにすると、高校で習ったかと思うが等比数列の和の公式で表せる事ができる。
コールマン氏が「うかつにも」と言った、米国FRBが1954年に出版した「連邦準備制度・その目的と機能」にある例によると、100ドルを預金者が銀行に預金して、その銀行はその預金額の2割を中央銀行に預金する(この2割を上下すれば中央銀行は金融を引き締めたり緩和したりできるのだ)。中央銀行はこれにより20ドルのカネが入り、銀行は残りの80ドルは企業に貸し付ける(残ったカネ全部貸し付けるとは思えないが話を簡単にするためにそうしたのだと思う)そして企業は銀行から借りた80ドルを別の銀行に預ける。そうすると、その別の銀行は80×0.2=16ドルを中央銀行に預ける。これを永遠に続けると中央銀行は20+16+12.8+10.24+ .. =100ドルを所有することになり、全銀行の総貸出金額は同じ理屈で80+64+51.2+... = 400ドルになる。(ヴェルナー氏が論じている部分はこの400ドルの部分だけだ。)
数式で言えば
n
Σ ar^n = S = a+ ar+ ar^2 +... ar^n
n=0
から
等比数列の和は S= a( r^(n+1) - 1 )/ (r-1)  (^は累乗を表す)
で 中央銀行は S = 20(0.8^(∞+1) - 1 )/(0.8-1)= 20(0 - 1)/(-0.2)=100 ドルを理論上、手に入れることができる。
(20ドルは初項のa。0.8は公比で20,16,12.8ドルと中央銀行に入るから0.8倍ずつ値は下がっていく。nを無限大にしたということは銀行の数を無限にしたということ。1未満の数を無限に乗じれば、ほぼゼロになるのはわかると思う)
全銀行の総貸出金額も上の公式に当てはめれば400ドルになります。

このカネがカネを生む中央銀行の部分準備と言う仕組みによってコールマン氏はアメリカ人が奴隷に成り下がったと述べている。銀行免許は盗みの免許とも述べている。しかしこれは日本でも同様のことだ。ヴェルナー氏の本によれば日銀の意向はアメリカの意向が反映されているから我々も奴隷ということだ。上の例からわかることだが、中央銀行に集まるカネはまさしくバーチャルなカネだ。しかも、紙幣を自由に刷ることも可能だし。最近の日銀法改正で根拠となる資産(ゴールドなど)に関係なく紙幣を刷ることが可能になったのだから尚更バーチャルなカネ(資産)がたくさん増える状況となってしまった。(ここで言うバーチャルとは実際の価値が額面よりはるかに低いことを意味する)
だからそのカネで国民のサービスを買ったり人を雇い入れればまさしく我々は奴隷だ。元のカネの価値を何倍にも見せかけたカネを使うことは、賃金やサービス、商品が事実上ディスカウントされ、買い叩かれる事と同じだからだ。この中央銀行のカネを使うことでイギリスは戦争ばかりをし始め、今のアメリカも同じように安易な戦争をし始めたとコールマン氏は言う。しかもアメリカFRBの株主はアメリカ政府でなくロスチャイルド家だというのだから、既にアメリカは少数の豪族に乗っ取られている言っても過言ではない。
ヴェルナー氏の本は中央銀行に多額のバーチャルマネーが転がり込むことについては述べていない(筆者が立ち読みした限りでは)。単に銀行の本業に徹すれば日本経済は回復すると述べているだけだ。

彼によれば最近の韓国の経済的な復活はIMFの意向が破綻しかけたヘッジファンドであるLTCMの国ぐるみの救済によって、しょうがなく変更されたことに因ると述べている。(LTCMは国ぐるみでバックアップしたのに何で韓国は救済されないばかりか破綻させられているのだと韓国人に言われたくないためにということ)ヴェルナー氏もコールマン氏もIMFは国を痛めつける高利貸しみたいなもののような言い方をしている。
要するに、LTCMの破綻がなければ韓国経済はIMFによって従来どおりの金融引締め策で瀕死の重傷のままにさせられていると言うことだ。

それにしても、バカ丸出しで往生際が悪く、醜態をさらしているの日本のメガバンクといい、他国の経済をどん底にする吸血鬼のようなIMFや、最近おなじみの闇金融業者といい、ほとんどの金融業者というのは規模の大小に関わらずとんでもない連中ばっかりだ。はっきり言ってしまえば大半の金融業者はまともな人間にとってまさしく人類の敵と言ってもいい連中だね。

筆者はIMFやBIS、世界銀行の言うことなんて無視して、日本国内だけで楽しく生きりゃあそれでいいじゃないかと思っている。日本人が天狗になってたくさん輸出して儲け、海外のいろんな資産を買いあさってしまったから、金融海賊連中の逆鱗に触れたんだよ。日本のメガバンクもさっさと海外業務から撤退して、くだらんBIS規制を無視して、海外の金融海賊の資金頼りで株価を上げる経済構造から抜け出すことだ。
(日本経済を破壊するためでもあると思うが、またBIS規制の強化を発表している

これは例えて言うなら暴力団が事実上オーナーの闇金融業者から金を借りるようなものだ。つまり邪悪な連中から金を借りた時点で弱みを握られるということだ。闇金業者が押し貸しという、要求もしないのに勝手に金を振り込んで後で利子つけてカネを返済しろという行為は、サヤ取りだけが目的で株を大量に買う行為とまったく同じだ。株がたくさんあるということは、その株式会社にとっては多額の負債である。株主から得たカネであくせく働いてゼニを稼がなければならないことを意味するのだ。日本のメガバンクは完全に国有化して外資に売却せず、金融制度が基本的に意味がなくなるまで、もしくは日本国が存続するまで国有化したほうがいい。市場原理主義だとかオープン、グローバルなんていう言葉に惑わされないで、日本人だけのカネだけで運用すれば問題ないのだ。株式会社制度とは大金持ちの邪悪な欲望が通りやすいようにした制度とも言えるのだから、邪悪な出資者に押し貸しされないよう日本企業は注意したほうがいい。だから会社を即座に上場しようと言う連中は全く信用できない。そういう連中はその会社の経営者か証券会社の連中だと思うが、そういう連中もサヤ取りもしくは手数料収入しか眼中にない。

株式上場は邪悪な連中に弱みを握られることをまず知らなければならない。日本国内に限っても総会屋とか暴力団が介在してくるのだから一番いいのは上場を廃止して銀行からの融資だけ、もしくは自己資金だけで会社を運営することだ。今の時代だったら、ヴェルナー氏の意見とは反対にメガバンクが自分だけ生き残るために貸し剥がしばっかりしているから、自己資金だけでやるのが一番だろう。
メガバンクにこだわらなければ、信用金庫とか石原慎太郎が作るかもしれない銀行とか、よりグローバルでない小ぶりの金融機関から融資してもらった方がいいね。


アメリカFRB議長が米国は景気回復すると適当なことをぬかしている。
しかしよく読むと、先行きが不透明とも受け取れる言動もしていて、大臣になる前の鬼平が以前言っていた言動を思い出す。こんなおっさん達の言う言葉を信頼するより日本のプロ野球とアメリカのプロ野球をチラッと見れば大体わかる。イチローと松井が一緒に出た試合でもダッグアウト上の観客席でも結構人がまばらなのだ。それに比べ昨日の巨人vs阪神戦は阪神の本拠地で試合をやったとは言え、大不況と言われながら観客席はどこも満員御礼だ。アメリカは想像以上にダメージを受けているようだ。

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