局部発振回路(VFO回路 )

ケースにポリバリコンが取り付けられている。

これは、ラジオたんぱ(ラジオNIKKEI)の第2放送(9.595MHz)だけ受信できればいいと考えていたので周波数を可変できるVFOにする必要はなかったのですが、ぴったり9.595MHz - 0.455MHz = 9.14MHzを発振する回路を作るのは難しかったので可変にしました。VCはFMラジオ用のポリバリコンです。(今ではほとんど使われてはいないでしょう)

このVFOを使用すると、9.2MHz〜9.7MHz程度は受信できるようになりました。KTWRやロシアの声もバッチリ受信できました。

波形の良し悪しに関わるC1,C2の比(上の回路では390kΩの下にある2つの101)は、トランジスタから離れたところから出力を取ればC1,C2がどんな値であろうと綺麗な正弦波を得られるので、確実に発振する比率であるC1=C2としました。

ソースフォロワで使用されている2SK241は電流帰還バイアス回路ではなく、固定バイアス回路(ゲートからGNDに繋がる抵抗がない)になっています。これは波形を良くするために試行錯誤でそうしたのであって、理屈でそうしたのではありません。また51kΩというのも試行錯誤で選んだ値です。発振回路のインピーダンスは100Ω程度と言われていますが(実際鈴木雅臣氏の本によるやり方だと50〜100Ω程度)、インピーダンスマッチングのためにバイアス抵抗で100Ωを並列につなげれば、綺麗な正弦波を得られるわけではありませんでした。この部分は全くの経験値です。ちなみに2SK241をトランジスタに変えると振幅が大きくなりますが、波形は歪みます。

オーム社の本では発振回路にバッファを入れる時にバイアス抵抗を入れるとQが下がるからダメだと言う記述がありますが、バイアス抵抗を入れないと振幅が大幅に小さくなり周波数変換に必要な振幅に達しません。(0.1vp-pは必要だったと記憶しています)また、バイアス抵抗を入れるとソースフォロワ(エミッタフォロワ)の入力インピーダンスが下がるからダメだと述べていますが、そもそもLC発振回路のインピーダンスは始めから低く、加えて扱う周波数が高いのでFETと言えども9MHzの入力インピーダンスは低周波と違い大幅に下がっています。ですので1石トランジスタ回路全体の入力インピーダンスは一番低いインピーダンスをもつ素子が全体の値に大きく左右している事から、上のソースフォロワで一番インピーダンスの低い素子はFETになりますので、この点においてもバイアス抵抗を入れたらダメと言うのは高周波では違ってくるのです。

ちなみに上のソースフォロワの入力インピーダンスは1/(1/51kΩ + 1/(FETの入力インピーダンス+390))

 

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