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桑田佳祐 I LOVE YOU :これまでのソロでえりすぐりの曲を選曲

桑田佳祐 I LOVE YOU  amazon.co.jp

3000円程度で3曲ほしい曲があれば1曲1000円だから買ってもいいかと思って買った。以前なら彼のアルバムならサザン含め曲を確かめずに発売と同時に買っていたが、今は違う。しかもベスト版は今まで買ったことがない。しかし、このアルバムは新譜もあるからベスト版とは厳密にはいえない。
過去の桑田佳祐のアルバムは5000円以上と強気の価格設定のものがあったが、今回は初回特別版でも3600円でベストアルバムでもありながら新譜もいくつかあるので、強気の価格設定にしたアルバムは返品が結構あってそれが堪えたんだろう…と勝手に想像する。

1枚目の4曲目Kissin’ Christmasがこのアルバムを買う最大の動機で、思い出のある曲だ。早速聴いて、1986年のあの日テレのクリスマス特別番組で聴いた時と変わらないので目頭が熱くなった。できればユーミンやその他のアーティストも参加してほしかったが。

1枚目の11曲目 ROCK AND ROLL HERO は無論知っていた曲だが、今回歌詞を見て思ったのだが、もう何年もたっているのに今の日本を歌ったような歌で驚いた

ROCK AND ROLL HEROの歌詞

同名のアルバムは2002年発売だから10年経っても同じか。

2枚目の「声に出して歌いたい日本文学<Medley>」 は、本:「声に出して読みたい日本語」からパクった題名なんだろうが、なかなか面白い曲で、うれしい誤算だ。

明治からの日本の文豪や詩人の作品の文を歌詞として桑田佳祐がメロディをつけて歌っているのだ。歌詞となった各作品が不自然なく曲に乗っているところが新鮮で、ちゃんと聴けるから面白い。

歌詞となった作品とその原作者

「汚れちまつた悲しみに」 仲原中也

「智恵子抄」 高村光太郎
ラテン調なのが妙にマッチしている

「人間失格」 太宰治
スローなロック調。腐ってしまった感情をよく表現している

「みだれ髪」 与謝野晶子
伴奏をピアノをメインとしたバラード

「蜘蛛の糸」 芥川龍之介
お釈迦様という言葉からヒントを得たのだろうが、インドの音楽調。

「蟹工船」 小林多喜二

作品内容とは裏腹に昔を懐かしむようなバラード調の曲。
そんなメロディーなのに
「糞壷」の中に線香のかおりが….
と言うので思わす噴き出してしまう。
しかしこの曲調は「諸君、とうとう来た!」から変化する。勇ましく
そして最後は元の曲調に戻る

「たけくらべ」 樋口一葉
ポップなロック調。忌野清志郎のような曲で清志郎自身が歌っているようだ。

「汚れちまつた悲しみに」 仲原中也
マーチ調

「一握の砂」 石川啄木
牧歌的な曲調。

「吾輩は猫である」 夏目漱石
ハードロック調 猫の鳴き声がさりげなく曲を引き立てている。

銀河鉄道の夜 宮沢賢治
これだけは単に朗読している。
「銀河ステーション…」の部分で、これまで使った各作品の朗読をミックスして銀河ステーションの雰囲気を表現している。

「幸せのラストダンス」は結婚披露宴などで使われる事を想定して作った曲。CMでも聴いた人も多いと思う。桑田佳祐のこの手の曲では、一番いいと思う。著作権料もたくさん入るだろう(笑)

ちなみに5月に結婚披露宴に行ったが、一組だけカラオケで歌が歌われたがアニメ「北斗の拳」のオープニングテーマ曲「愛を取り戻せ!!」だった。何で「こんな曲が?」と同時にへたくそ過ぎて笑ってしまった。