Arrows Me F11D 月額基本料無料電話と月額基本料0円SIMとのレポート
以下は出来るだけほとんど使わない携帯電話のランニングコストを下げる為に発見したサービスと組み合わせた体験談である。
私は基本的に電話は嫌いで携帯電話も上司から持って欲しいと言われても拒んでいたが、車で事故を起こしたときは「これはどうしても持たざるを得ない」と思い40近くになって渋々購入したが、やはりほとんど使わない。だから、できるだけランニングコストを下げる方法いつも探していた。
最初はドコモだったが、2年後年寄り用携帯でauの780円の月額基本料のサービスにした。しかしサービスエリア外の場所が多く、自宅もそうだ。基本的に外で使うから自宅がサービス外でも構わないのだが、エリアは広いに超したことなく、かつ年に1~2度使うために780×12円を消費するのは馬鹿らしい。プリペイド携帯も検討したが、使用期限がある。
色々探していくうちに、データ通信専用SIMと白ロムスマートフォンを購入し、IP電話サービスに加入すれば大幅にランニングコストを下げることを発見した。
そして、スマホ用IP電話サービスの中に月額基本料がゼロ円のIP電話サービスを見つけた。
それが今日、正式にサービスを開始したと発表したFusion IP-Phone Smartだ。(今まではベータサービスだった)
このサービスは月額基本料0円というのも良いが、プロトコルがオープンなものを使用しているため、各種電話ソフトが使用でき、極めて自由度が高いのが気に入った。このサービスに加入していれば、プロトコルが対応していれば電話機は自由に選べて、通信回線も自由だ。
スマートフォン用以外の個人用IP電話は各社多数提供されているが、必ずISP(niftyやbiglobeなど)の付随サービスであり、そのISP契約を切ったらIP電話も使えなくなる。これが普及の妨げになっていると思う。
しかし、スマートフォン用IP電話サービスは、携帯OS上の電話アプリがあればISPや3大携帯電話キャリアが何であろうと電話が出来てしまう。そしてFusion IP-Phone Smartはその電話アプリでさえもプロトコルがオープンなものを使っているから、専用電話アプリ(今日iOS用がリリースしたとのこと)以外でも色々選べるのだ。
(加えてIP電話が出来る固定電話のビジネスフォンでも使えるはず。既に購入したのでそのレポートは後日記す)
データ通信専用SIMはヨドバシカメラが売っているbmobileの基本料金0円SIMをチョイスした。
これはドコモのネットワークを使っており、6ヶ月間1MBも使ってないと勝手に解約されるが、この程度の縛りならなんてことはない。何ヶ月かおきにスマホでWebページを少し閲覧しただけでいいだけだ。1MBの料金は50円にもならない。ほとんど使わない筆者にはぴったりのSIMだ。
しかしある程度に使うユーザーなら、OCNか楽天980円LTE対応SIMの方が良いだろう。
問題なのはこのようなデータ専用SIMがIP電話を制限している可能性だ。しかしbmobile自身も自社SIMを使ったIP電話サービスを提供しているので確証はないが多分大丈夫だろうと思った。
そして購入したスマートフォンはArrows Me F11Dというやつで、去年出た割には1万円程度と安く、アマゾンのレビューでもおおむね好評だったから購入した。この携帯電話はXi(クロッシー、LTE回線)に対応していないから、ドコモがXiを急激に普及させたい戦略上、安くなってしまったのだろう。
(とはいえ、携帯電話は毎年2回も新製品を大量リリースしているから基本的に陳腐化が激しい)
動作がのろいというレビュワーがいるが、電話やマップを使った限りでは遅いとは感じなかった。
携帯電話会社やその代理店以外から携帯電話(白ロム携帯)を購入する上で地雷となるのが、事実上利用できないロックの問題があるのだが、購入した携帯は新品だったので、ロック解除をする必要がなかった。ロック解除はドコモの場合3000円程度の手数料を取られる。
そして、基本料0円SIMがIP電話を制限しているかどうかと言う問題は….これも、問題なかった。
かくして、3大携帯キャリアからすれば極めて怪しい方法で通話が出来るようになったのだ。
一番問題だったのは、充電に必要なACアダプタの購入だった。携帯電話はなぜか付属品として充電用の備品が別売りだ(Arrows Me F11Dの場合充電用スタンドは同梱されていた。)既に正規品は販売されておらず、サードパーティのものを購入した。
さて次は実際にIP電話は実使用に耐えられるかと言う問題だ。Webページを色々調べるとIP電話はどうやらかなり遅延が酷く、かつ音声コーデックの種類にもよるが音質も良くない。NTTコミュニケーションの050プラスはさんざんコキ下ろされたようだ。
Fusion IP-Phone Smartは音声コーデックは現時点(2013 6/13)でSpeex(8kHz), iLBC, GSM, G711μ, G.722 に対応している。Arrows Me F11DはAndroid携帯の基本機能として、何のアプリをインストールしなくてもアカウントとパスワードを入れればFusion IP-Phone Smartで電話が出来る。
しかし、細かい制御を行えないのでCSipSimpleというアプリをインストールして使った。これは無料ながら細かい設定が行え、広告も出ないからパケット料金も削減できる。
200km以上離れた友人(発着信先はドコモの携帯電話)と協力して、色々試したが、結論を言えば、ギリギリ何とか使えるというレベルだ。
WiFiを通して自宅のADSLから通話した場合は申し分ない。既存の固定電話より広帯域のG.722を使えるので音質はいい。
問題は携帯電話回線だ。G.722は広帯域と言っても100kbpsもないからFOMA(384kbps。現在はハイスピードFOMAがほぼ同じサービスエリア内で使えると言うから数Mbpsは出るはず)でも問題なく通話できるんじゃないかと思ったのだが、結果は全くダメで、空気を出す時間間隔がえらい遅いうがいをしたような音だ。
CSipSimpleの設定で、コーデックはGSMにして、QoSをOn,コンパクトSIPを選択した場合、何とか長電話できる程度の品質になった。単に天気予報などを聞く分には通常の固定電話と変わらない。
それでも固定電話や通常の携帯電話と比べて会話をするにはストレスはたまる。
最大の問題は遅延時間がちょっと長いから会話がしづらいのだ。テレビの衛星中継で現地のレポーターの反応が遅い時と同じように、実質的に全二重通信ではなく、アマチュア無線のように相手の会話が終了するまで待つ必要がある半二重通信のようになってしまうのだ。
Speexなどを選択した場合、更に酷く遅延が10秒くらいあったし、会話もろくに出来なかった。
データ通信専用SIM + 白ロム携帯を買ってIP電話をしたい人は今後LTE(Xi)対応の携帯電話を買えばG.722でも問題ないと思うし、必然的にLTEに対応の携帯電話しか買えなくなるだろう。今回使用した月額基本料0円SIMや、OCNや楽天の月額基本料980円のSIMもLTEに対応している。
また、会話の最後が時々とぎれるのもちょっと問題だ。
電池の消耗も巷間言われているように早いが私の場合、極めて限定的な使用なのでそれは問題にはならない。今日発表されたiOS用Fusion IP-Phone Smart用専用電話ソフトは電池の消耗を押さえるよう設計されているようだが。
でも多くの人にとって見ればまだまだ常用できるまでには至っていないかなと言うのが率直なところだ。G.722など音質の良いプロトコルを使えば、パケット量が多くなり、データ通信専用SIMの規制データ量にすぐ達して通話時間に制限がかかるし、かつ電池の消耗も早いだろう(データ通信専用SIMを使って長電話する人がいるかどうかはわからないが)。またG.722を使っても若干遅延があるなと言う印象だったし。しかしこれは以下に述べる固定電話として使う場合はその欠点はほとんどカバーできる。
それ以外の問題点として、私は固定電話でもこのサービスにしてしまいたいと考えて、ビジネスフォンも購入したのだが、0120発信が出来ないのは極めて痛い。企業の電話は0120だけというのが非常に多いからだ。しかし、0120のために現在の回線を温存したくないし、ひかり電話(これもIP電話と言うが)を導入したくない。これはフュージョンに強く要望した。
ひかり電話は月額基本料525円で、アナログ回線より遙かに安いが、525円分の通話時間は、ひかり電話より通話料金が割高(8.4円/30秒)なFusion IP-Phone Smartで計算しても30分もある。1ヶ月30分も筆者は電話をしない。おまけにひかり電話は着信電話番号通知(ナンバーディスプレイ)がオプションで420円もする。これは今となってみれば極めて割高だ。また、ナンバーディスプレイ対応家庭用電話機の着信拒否機能は、極めて貧弱で、ワイルドカードが使えない。
IP電話サービスを調べてわかったのだが、都内にいなくても03番号は付与できるのだ。以前ニュースでも報道されたが、携帯電話発信でも着信は03にすることが出来る。このような現状から、03が付く電話番号は電話帳にある番号以外全て拒否できる必要があるのだ。お年寄りの詐欺被害に遭わないためにもこのような機能は必須だと思う。
一方ビジネスフォンの場合、ワイルドカード指定が出来るものが多い。そしてIP電話は言うまでもなく着信番号通知は無料だ。どうみたって回線品質をぬきにすればIP電話の方がいい。
回線品質向上と0120発信110,119発信が出来れば、Fusion IP-Phone Smartはメジャーなサービスになる素地を持っている。そしてこのようなサービスがメジャーになったら家庭用電話機が何の変換アダプタもいらない真のIP電話機になることだろう。また既存の3大キャリア同様留守電サービス(これも無料)があるので、着信できなくても、電話を使用不能にしても留守電ができるのもいい。これはFusion IP-Phone Smartを使用した固定電話を常にONにしなくてもいいという自由を提供してくれる。
110,119発信はできない問題は直接所轄の警察署や消防署に電話をかければ回避できる(受け付けてくれないという報告もあるが)。また、友人に代わって電話してもらうという手もある。Android携帯なら、付属のGoogleマップで警察署や消防署を検索すれば場所と電話番号が表示され、それをタップすれば電話が出来る。
(追記:健常者の場合目的外使用だが、メール110番というサービスがある。聴覚障害者や言葉をしゃべる事ができない人専用だ。受け付けてくれるかどうかは不明だが、チャット形式のようで、その際にIP電話しか持っておらず、050の電話番号にかけて欲しいといえば対応してくれる..かもしれない。
ちなみに東京だと http://mpd110.jp/ だ。所轄の47都道府県ごとにアドレスが設けられているので注意。
Googleの音声検索で例えば”警視庁メール110番”と言えばヒットするだろう。
消防もメール119というものがある、メール110番とは違い、市町村単位で細かい。
加えて事前登録しておく必要がある。)
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投稿: 2013年 6月 13日, カテゴリ 電子機器.