REBECCA 「TIME」 最新技術で製造されたCDは、何十年前に発売されたアルバムだとしても、そのアルバムとCDの価値を引き上げる
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今更CDを買った最大の理由は、Amazonの Prime Musicが勝手に曲をぶっこんできて事実上使えないからだ。かつては収録数100万曲でも、その中から気に入った曲で好きなプレイリストが自由に使えて全く問題なかった。車を運転している時は重宝した。
100万曲でも好きな曲はいくらでも見つかる。最新曲でなければ過去ヒットした曲が結構入っているものだ。その中で見つけたのがRebecca(レベッカ)だ。私が高校生の時ヒットしたバンドで、校内ではいつも誰かがその曲をかけていたように記憶している。嫌いではなかったがCDを買うほどではなかった。でも、久しぶりに聴くとよくできていると感心した。歌詞も面白い。
特に感心したのは「GIRL SCHOOL」で、女子校内の生徒同士の疑心暗鬼と歌詞に出てるCIAやFBIの諜報や捜査の心理を掛けているのだ。それで曲のアレンジには昔見たことがある「スパイ大作戦」みたいなドラマで聴き覚えのある効果音をあえて使っている。こういう曲づくりは普通のロックバンドの楽曲ではありえない。まるで歌謡曲の歌手のために考えられた曲作りであり、曲ごと、歌詞ごと、編曲ごとの専門家がそれぞれ作り、すり合わせたような曲に思える。Wikipediaでちょっと調べたら結構なサポートメンバーがいたのだと知って納得した。シンセのアレンジでもよく一人で作ったなと思っていたし。
「CHEAP HIPPIES」は歌詞が面白い。「ピンクの網タイツをどうしてもやめろなんて、言われちゃやってられないわ」と言うところが特に。ムーミンに出てくる「ミー」とか、ドクタースランプの「皿田きのこ」(顔と喋りだけ知ってるから今回名前を調べた)が喋っているように思えてくるのだ。他にも「ボトムライン」(これは「REBECCAⅣ Maybe Tomorrow」に収録)も同様。 正直言って、今の若手のバンドや歌手より完成度が高い曲が多い。今は音楽産業が衰退しているので、才能ある人が業界に来なくなっているのだと思っている。
その衰退の原因となっているサブスクリプション(サブスク)の音楽サービスは、当然ながら運営側が勝手に規約を変更する時がある。それで自分のもののように思っているコンテンツがある日突然消されて使えなくなるのだ。 また、数年前、安室奈美恵の楽曲がサブスクで聴けなくなったニュースがあった。結果的にCDの存在意義が再認識された報道だ。確か著作権者同士の対立(安室奈美恵と所属していた事務所だったか?)が原因だったと記憶しているが、こういう理由でも聴けなくなるリスクがあるのだ。 加えてサブスクから楽曲の著作権者に支払われる料金は微々たるものと言うニュースが以前あった。これもCDを買おうと思った理由だ。アーティストに応援すべきだとも今回思ったのだ。
今回レベッカのアルバムは他にも2枚ほど買ったが、全部最新の製造設備で製造された再リリース版だ。 以前紹介した宇宙戦艦ヤマトのサントラ盤もそうだが、今回買ったアルバムもBlu-SpecCDと言われるCDで、Blu-rayディスクの製造技術をCDの製造に反映したものだ。しかも今回は最新のBlu-Spec CD2。2012年あたりから出たそうだが、宇宙戦艦ヤマトの時と比べても明らかに音質が良いと実感した。楽曲が違うから厳密には分からないのだが、とにかく違うのは明白。
ロックのアルバムなのに静寂さを感じさせるのだ。音が澄んでいて、「マスター音源に近い」と言う触れ込みだが、実際にレコーディングスタジオにいた人はこのような音を聴いていたのだろうと思ってしまう。加えてこの最新製造技術を開発したソニーがレベッカの楽曲を所有する会社でもあるからと言うのもあるのかもしれないが、濁りの無い音と言うのは、これまで聞いていた音だと知らぬ間にストレスを受けていたとを感じさせる。 これは明らかに精神に良い影響を与えている。今までAMラジオのノイズが癒しと思ってたが、radikoを聴いたらそのノイズが実はストレスだったのだと気付かされた時を思い起こした。
この「静寂さ」は、購入したレベッカのこのアルバムがシンセを多用してエレキの音は控えめだからそう思ってしまうと言うのはあるのかもしれない。だから同時に買ったSuperfly(発売元はワーナーブラザーズ)の比較的最近のアルバム「0」(ゼロ)を聴き比べて見たがやはり違う。Superflyのアルバムの方は圧縮音源で聴いているような錯覚を覚える程だ。
一緒に買ったサザンオールスターズの最新のアルバム「蒲萄」(発売元はビクター)と聞き比べて見ても明白。このアルバムはレベッカのアルバムとは違い歌手が男だし、曲も若干暗めというのも影響している可能性があるが、一言でいえば「眠い」音なのだ。去年暮れから、ビクターやアミューズは、サザン含む桑田佳祐の全楽曲(シングルのカップリング曲も含め)をYoutubeで流すようにしたようだが、2024年リマスターと言っている割には音質がいいとは思えない。Youtubeに載せた時点で圧縮音源だし仕方ないのだが。 桑田佳祐の曲は一番よく聴くが、正直言って前から音源が良いと言う印象が無い。これはアーティストの問題ではなく諸々エンジニアの問題だろう。もちろん音にうるさいアーティストに全く責任ないとは言えない。日テレの音楽番組であまりの音響設備のまずさに文句を言ったと以前、吉田拓郎がラジオで言っていた。
話はここから脱線するが、この、「眠い音」とか、「ぼんやりした光」と言うのは、就寝を誘う時には良いと思うが、ずっとそれらの音や光にさらされていくと憂鬱になってくる。明らかに精神衛生上悪い。だから明らかに憂鬱な気分にさせる寝室(でかつ仕事場)のぼんやりした光を出す蛍光灯を去年最新の演色度の高いLED照明に変えた。
しかし、眠い音の中でも憂鬱にさせるのではなく心地よいと思わせる音もある。具体的に言うと真空管を通した音だ。昔の真空管を使ったラジオの音は携帯型のAMラジオから出る音よりずっと心地良い感じを受ける。これはYoutubeを通して聴いてももわかる。スピーカーがでかいと言うのもあるが、トランジスタのノイズより真空管の歪みのかかった音の方が人間の神経には心地よく感じるのだろう。
このようなノイズをソフトウェアで人為的に発生させて真空管を使ったAMラジオのような音を再現したYoutubeビデオを見たことがある。低音部に1/fのノイズをあえて含ませたことによって実現したとか言っていた。(間違っているかもしれないので知りたい方は調べて見てほしい)
だから私としてはBlu-SpecCDを認めてもレコードは認めないと言う人間ではない。レコード再生も真空管ラジオと同じ効果がある(と上記のYoutuberが言ってたか?)と思っているのだ。 まず、レコードプレーヤーははCDプレーヤーと違い、再生にあらゆる電磁ノイズをまき散らさない。電磁ノイズは生体に何らかの悪影響を与えて不快な気分にさせるのは否定できない。私は電磁波過敏症だからそれは実感している事だ。しかし私自身CDプレーヤーの再生で気分で悪くなった感覚は無いが、アース処理はしてある。使っているのはCDプレーヤー単体ではなくコンポ内のCDプレーヤーで、そのコンポのアンプはこれまた電磁ノイズをまき散らすデジタルアンプだからだ。
だからノイズにうるさいオーディオマニアなら、レコードプレーヤーに加えてノイズが出にくいが大量の電力を消費するA級のアンプで音楽を聴くのだろう。
今では主流のネットワーク経由で音楽を聴く場合は、CDで音楽聴くよりさらに人は多くの電磁ノイズにさらされている場合が多いだろう。CDと同等の音質の音楽をネットワーク経由で聴く場合も、CD単体で音楽を聴く場合と違い、何らかの悪い影響を人体に与えているはずである。無線LANやスマートフォン経由なら当然だし、年を追う毎に便利にはなっていくが余計なものも体に取り込んでいるのだ。
だから、本当にリラックスして音楽を聴きたいときは、CDやレコードのプレーヤーとアンプだけに電源を入れるべきだろう。
投稿: 2025年 1月 4日, カテゴリ CD.