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ATAS-120A Yaesu無線機専用のコンパクトなチューナー付きアンテナ 他アマチュア無線全般について

ATAS-120A Yaesu  amazon.co.jp

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ATAS-120A 八重洲無線 オートアクティブチューニングアンテナ
価格:38700円(税込、送料無料) (2020/6/28時点)

このアンテナは優れものだ。全長2mもないのに7MHzから430MHzまで対応しているうえにオートアンテナチューナーまで内蔵している。
他者にも同じような大きさで多バンド対応のアンテナははあるが、オートアンテナチューナーが内蔵したものはこれ以外知らない。
アマチュア無線でHF帯で交信する際、大きなネックになっているのは言うまでもなくアンテナだ。(その他ソフト面では制度や慣習があるが、それは最後に述べる。)
周波数が低いので長いアンテナ長にしなくてはならず、設置に難がある人がほとんどだろう。しかしアマチュア無線で一番活発なのがHF帯であり、交信する人がいなかったら意味がない。
このアンテナがあれば、サイズに関して言えばVHF UHF帯で無線をやる感覚に近い感じで設置できる。

基本的には車に取り付けるモービル用のアンテナ

このアンテナは建築物の備え付けを想定としたアンテナでない。しかし私はこのアンテナを自宅に設置し常に使えるようにした。非常通信用として無線機を今回設置したので、コンパクトでスマートなアンテナは理にかなっている。また多バンド対応も、もしもの時は嬉しい。しかし、基本的にコンパクトなHF帯アンテナは共振点の周波数帯幅が非常に狭く、アンテナチューナーがないと交信できる周波数範囲は非常に狭くなる。なのでアンテナチューナーがあるアンテナは使い勝手が良くなる。

無論、無線機にはアンテナチューナーが付いたモデルがあるが、アンテナ直下にアンテナチューナーが付いた方がアンテナとしての性能が良いようなので、アンテナチューナー付属のアンテナは小さくても性能も損なわれないだろうと思い購入した。アンテナ直下に使用するアンテナチューナーは、ワイヤーアンテナ用のものが有名だが(例えばアイコムのAH-4など)、以前これを使っていて大したことなかったのを経験していたし、まずHF帯だと10mのワイヤーは必須なのでそれを常に張るのは景観的に良くなく、落雷の危険も増すのでワイヤーアンテナ用のアンテナチューナーは買わなかった。またAH-4やYaesuのワイヤーアンテナ用チューナーもそうだが、アンテナケーブルの他に信号ケーブルも無線機に取り付ける必要があり、家に空ける穴が多くなってしまうのも購入をやめた理由だ。ATAS-120Aはアンテナケーブルがあれば、無線機からチューナーを操作できるのも大きな利点だ。

モービル用なのでモービル用の機材を買う必要がある。

まずアンテナケーブルをつなげるコネクターが普通のM型接栓ではなく、ケーブルを横から入れるタイプのものが必要だ。このタイプだと、アンテナと別に必須パーツである台座を締め付けて止めるパーツも入っている。普通のM型接栓だけではやったことはないが、アンテナが重いのでぐらついて外れる可能性がある。

「海外製ネジピッチ対応 5D同軸用 アンテナ 取付け L型コネクター M接栓 M型 5DMLJ デコトラ CB無線 アートトラック ダンプ 軽トラ」

台座は以下の機材を購入。太いパイプ(後で述べます)でも問題ない。
Comet RS-215 パイプ取付基台

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COMET(コメット) RS-215(RS215)
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単管パイプにRS-215を取り付け、そこにATAS-120Aを取り付ける。

単管パイプというのはホームセンター(コメリ)で売られている、直径48.6mmの金属パイプで、農業用か建築用の構造物を作るためのパイプの様だ(25.2mmとか19mmのパイプもある)。ビニールハウスや建築工事用の足場などに使われるようだが、具体的には何の為にたくさん使われているのか、誰からも聞いていないのでわからない。手にしたら分かるが、かなりの質量。なのに安いというのは何かの用途に大量に使われているとしか考えられない。金属量の少ない小径のパイプやその関連部品の方が割高だ。
とにかく、ぶっとくてサビにくいわりに安価なパイプである。野ざらしで売られているのでサビにくいのは折り紙付きなのだろう。自宅でもキウイを這わせるために使われている。20年以上経っているかと思うが、パイプをつなげているクランプは錆びついているがパイプは大部分サビてない(管の内部などサビている部分はある)。

そこで安く上げるために、キウイを這わせるために設置してある地面に平行な単管パイプに90度曲がったジョイント(コーナーL継ぎ)
をつなげて、新たに購入した1mの単管パイプ(500円程度)からATAS-120Aを設置した。

はっきり言ってそこまでぶっといパイプは必要ないのだが、とにかく安いので選択。

アースは近くにある軒先に使用されているトタン、もしくは単管パイプが地面に埋設されているのでそれもアースになっているだろうからパイプと台座をアースケーブルで接続。

SWR(定在波比)を確かめる

HF帯でのアンテナ設置において、SWRは無視できない項目であり、この一点だけでもHF帯において交信するハードルが高くなっていると言える。つまりアース処理が大変と言うことなのだ。
しかし、VHFやUHF帯なら周波数が高い分、波長も短いのでアンテナ設置時点でSWRが下げる対策は事実上ほとんど考える必要はない。そもそも携帯電話でそんなこと気にする人がいるのかっていう話だ。一方波長の長いHF帯では、SWRはアースがちゃんとしてないと下がらなく、うまく電波が飛んでくれない。
私の理解では送信アンテナのアースというのは、家電用の漏電対策や不要輻射の電気を逃がすためのものではなく、電波の発射台みたいなもので、助走付けてジャンプするときに必要な地面の様なものだと理解している。つまりその地面がぐにゃぐにゃだったらうまく高く飛べないから、電波が舞い戻って無線機や人の体に悪さしてしまう。また波長が長いと発射台(アース)は大きく取らなくてはならない。 今回の試行錯誤でそれが良く分かった。

結果から言うと、ATAS-120Aに必要なアース処理において、地面にアース棒を挿してアースケーブルをつなげても効果はない。少なくとも7MHz帯はそうだ。私は業務用の「マジックアース」というアース電位が下がる粉末の商品を持っているが、それをキウイを這わせる単管パイプの土に埋設してある部分に入れてSWRが下がるか試したが全く効果がなかった。18MHz帯ではSWRは1.5以下になっても肝心の7MHz帯は2を若干超えたまま(メーカーはSWRは1.5以下で使用してほしいと説明)。これはまずい。エアコンに繋げてあるアースにアンテナ台座から直接アースケーブルをつなげても効果なし。

試しに隣の部屋の軒先のトタンにもアースケーブルを繋げたら若干SWRが下がった。ああ、大きな面積の金属板が良いアースなのだと理解した。雨が降ったときは更に若干下がったので明らかにトタンの金属が良いアースになっていると理解した。そこで、もっとと広いトタンがが使われている玄関上のトタン屋根をアースにすればもっといい結果にになるだろうと思い、試した。玄関上のトタン屋根は測ってみたら約6m×2.3mある。マイクロバスの屋根よりは広いだろうか?

物干しざおとして使っている直径1.9mmの単管パイプを立てて、それに台座とATAS-120Aをつなげて玄関上のトタンに繋げて測ってみたら簡単にSWRが1.5を切った。

パイプ取付基台からアースケーブルをトタンに取り付け。 トタン取り付け部分は、まず取り付け部分に紙やすりで削って電気電導性を上げて、アースケーブルの銅線部分に、CPUクーラー取り付け時に付ける銀が配合されたグリスを付けて銅製テープとアルミテープで貼りつけて取り付け。

ああ、やっぱり。やはりこのアンテナは車の天面をアースにすることを前提に設計されているのだ。

そこでATAS-120Aは最終的にこの玄関上のトタンの上に常設することに決定した。

支柱を単管パイプで作る。

アンテナ設置には太すぎる単管パイプなのだが、安価で関連パーツも安い。90度コーナーを作るジョイントも1000円以下。8mmの六角レンチで簡単に固定できる。このようなパーツはそれ以外の直径で探すとなるとネットショップでも難しい。あと、そのパイプ両側の穴をふさぐキャップ。これもプラスチック製で30円くらいで購入できる。他の直径のものでそのようなものを見つけるのは困難だ。
脱線するが、穴をふさぐのは重要だ。生き物は隙間や穴があるとすぐに入り込んでくる。パイプ穴にもハチが巣を作るので危険。もちろんパイプ穴をふさぐ本来の目的はサビを防止するためだ。

支柱は最初にキウイ棚のパイプに結合するために購入した1mの単管パイプを流用。そのパイプに、これも既に購入済みの90度コーナーを作るジョイントにつなげて、新たに1.5mの単管パイプ(800円程度)を購入してつなげる。このパイプは、玄関前の太い梁に平行して固定する。玄関正面からは隠れて見えないので目立つことはない。

その梁に単管パイプを固定する器具が、サドルバンドと言われてる器具だ。これはホームセンターで水道管の備品をあさっていた時にやっと見つけたもので、単管パイプ用のものはさすが店頭では売ってなかった。そもそも単管パイプはそれ自体で構造物を作るためのものなので、何かに固定するパーツ類は需要が少なく店頭で売られていない。一方、単管パイプ同士をつなげるいろいろな種類のクランプが大量に売られているが、あれは両方ぐらついているので何かに固定させることはできない。

以下購入したサドルバンド

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カクダイ ステンレスサドルバンド 625-101-40 49mm 5個
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サビ防止のためにでステンレス製を購入。見た目弱弱しそうだが、実際ネジ止めすると問題なく硬く固定できた。結局アンテナ支柱を支えるのはこれと梁に取り付ける木ねじだ。だから、4cmと長めの木ねじを購入(直径は4mm)。長い木ねじはサラタッピングが需要があるようで大量に安く出回っているが、需要がなく高価なトラスタッピングの方を購入。こちらはネジ穴の裏側が平面なので、取りつけるサドルバンドを締め付ける表面積を大きく取れ、全体の強度が増すと考えたからである。

しかし長い木ねじの取り付けは、予め小径のドリルで穴を開けなくてはならないのを怠ってしまったため、一番過重のかかるであろう、アンテナ直下部分のサドルバンドの木ねじの取り付けに失敗してしまった。ドリルが空回りして、ネジ穴がなめてしまって、取り除くことさえもできなくなってしまった。釘で取り付け位置に軽く穴を開けた程度でよいと考えていたのがまずかった。だから現在でもそのままだ。木ねじは奥まで到達せずに浮いたまま。まあ、他の木ネジ取り付けはうまくいって、それが非常に強固なので良しとしている。後は金属性のテープでサビ防止処理をすればいいだろう。

ATAS-120Aは風雨に弱いとのことなので、その対策

このアンテナは中に電子回路が入っており、一応防水処理がなされているそうだが、そんなに強力でなく、ずっと野ざらしにしてもいいアンテナでないのは、ネットショップの説明や使用者のブログなどからでも明らかだ。中の電子基板が雨でやられて故障してしまうそうだ。チューニング動作で全体長が変化するので雨が入り込む部分がどうしても出てくるのだろう。
この理由により、一時はこのアンテナの購入をあきらめ、このアンテナに対応したYaesuの無線機も購入候補からは外していた。しかし何らかの対策を施せば良いと言うことで購入したのだが、最初はアンテナが自宅屋根に若干かかる所(きり妻屋根の中心部分)に置けば良いと思っていたのだが(それが、つまり最初に設置したキウイのある所なのだ)、SWRが下がらない問題で大きなトタン屋根のある玄関わきに設置する事になり、もろに風雨(そして雪も)を受ける場所で本格的な対策をしなくてはならなくなった。
最初に設置した時点でも、ATAS-120Aを梱包していたプラスチックの袋の一部分を雨が入り込む部分にテープで貼り付けるという安直な対策を施していたのだが、今回常設する所は、そんなやわなやり方では通用しない。解決策は、多少アンテナの性能が下がっても全体を覆うしかない。

結論は、塩ビのパイプをアンテナにかぶせることににして直接アンテナが風雨に晒さないようにした。かぶせる素材は、電波が素通りしてくれる素材が最適なのは言うまでもない。だから金属はダメで、木材もしくは何らかの樹脂、もしくは高価だがガラス素材しかない。
木材は朽ちるのが早いだろうし、がっちりしたものとなると重たくなる。それに仮に木材を使う場合角材を使う事になるだろうが、くりぬくなんて事はできないので複数の角材を組み合わせる事になる。その際、金属製の釘を使うのでダメ。木組みをやろうとすれば高い精度の加工が必要になる。
ガラス素材(ガラス繊維)はアンテナの支柱固定に使われているし、釣竿アンテナ設置時の釣り竿に使われている素材であり、電波を透過する能力に関し問題ないのは明白だが、何せ高価で筒形のものは一般に出回っていない。

…と言うことで電波の透過能力は若干不安が残るが(塩ビの電気的特性は良いと、合成樹脂の材料説明のHPでは言ってるが)、安価で入手が容易な塩ビのパイプを使用した。ホームセンターで触っていると、静電気が起こっているのが分かった。「こんなので大丈夫なのか?」と思ったが、まあ値段が安いし、失敗した時の損失額もたかが知れていると言うことで購入。サイズの規格はVU50だ。2m分購入。そして直接風雨が中に入らないように90度のコーナーを作るジョイント(真上から入る雨を避けるためだ)と、蓋も購入。蓋はドリルで適当に穴を開けて一応パイプ内の熱い空気だけは逃がすようにする。しかし、蓋は誤ってVU40サイズを買ってしまいVU50用を買ったが、L型のジョイントと同じ直径ではまる事は無く再度失敗。そこで失敗したと思ったVU40用の蓋に、そこらに落ちていた野菜苗を買った時についてきたプラスチックの柔らかいポッドをはさみで切り、L型ジョイントを入れてもスカスカで簡単に外れていたVU40用の蓋にかぶせてある程度きつく締めて止めることに成功した。パイプ内側からの力が強くかからない限り、外れることはまずないと思われる。

VU40塩ビパイプ蓋

VU40塩ビパイプ蓋

野菜苗を購入した時についていたポッドの底の部分だけを切って利用する

VU50パイプ用L型ジョイントに野菜苗のポッドを切り取ったプラスチックをかませてVU40の蓋を中に入れ固定。これをATAS-120Aの入ったVU50塩ビパイプの上部に付ける

ちなみにATAS-120Aのアンテナ以外の筐体は黒い樹脂であり、設置する時が夏至近かったからなのか、全くアンテナ操作をしなくても結構な熱を持つ。そもそも何で熱を蓄積しやすい黒にしたのか?目立たないようにするため?怪しいと思われないため?

外観は以下のとおり。潜水艦の潜望鏡みたいだ(笑)。

穴の開いている方向は基本的に風が来ない方向にしてある。つまりその反対側(写真では左側)からいつも強風が吹く。灰色だからそんなに目立たないかな?最初外壁と同じ濃いブラウンの雨どいのパイプにしようと思ったが、高価だったので結局灰色のどこにでも売られているパイプにしたのだが。
これにより雨でアンテナが壊れる危険性を回避できる。また、風でアンテナが揺れてSWRが変化する可能性もなくなる。ATAS-120Aのアンテナ部分の金属棒は柔らかく、そよ風程度で簡単にたわんでしまう。

塩ビパイプをかぶせた状態で再度ATAS-120AのSWRを測定

最初、物干し竿として使っていた小径の単管パイプで仮組した状態で塩ビパイプをかぶせてSWRを測定していたが、塩ビパイプをかぶせてない時と比べて、SWRは0.2ぐらい悪化した。今回は完全に常設用としてしっかりしたつくりになり、アンテナ本体の近くに金属製である単管パイプがあるなど悪条件が重なっているので、まずいかなという不安はあった。
結果は7MHz帯でSWRは1.5。14MHzでは1.5を超えるときもあった
う~ん、最初に比べてらやはり悪化している。最初は余裕で1.5を切っていた。何が原因だろうと調べたら、塩ビパイプを取り外しても大して改善しない。今度はアンテナの地上高さを低くしてトタン屋根のすぐ近くにしたら、明らかな改善が見られた!仮組した時と比べて、高い位置にアンテナを設置していたからSWRが芳しくなかったのだ

ああ、やはり車の天面に取り付ける事が前提のアンテナなんだな再度思った。アンテナとアースとなる広い金属板との間の距離は近いほど良いのだ。まあ、他の普通のアンテナでも傾向は同じでしょうが、いきなり1.2ぐらいに行ってしまうのは驚きだった。そして、最終的に塩ビパイプをかぶせた状態でも1.2以下に収まってくれた。
今まで塩ビパイプをかぶせるとSWRが明らかに悪化したのは、どうやら塩ビパイプがアンテナに近づきすぎていた部分があったからのようだ。今回、塩ビパイプ取り付け時にアンテナがパイプに当たってカタカタ音が鳴っていることが気になって、塩ビパイプが完全にアンテナと平行になるよう調整したため、アンテナがパイプの中心点付近に行ったことによりアンテナ特性が良くなっているのだと推測している。

塩ビパイプは基本的にアンテナ台座に乗せているだけで、固定は最初自宅の雨どいからプラスチックのワイヤーでのみ行っていたが、U字ボルト(廃棄処分したAH-4付属のU字ボルトを使用(笑))と対応した金属プレートと、長ナットで長さを稼ぎ、塩ビパイプと直立した単管パイプを締め付けしっかり固定した。

ATAS-120Aの受信感度、そして使い勝手。

塩ビパイプをかぶせる、かぶせないに関係なく、実感としては最初から感度はあまり変化はない。チューニングが成功したら、信号と雑音が目の間にぐわっと現れてくるような感じは、迫力がある。2mに満たないアンテナの割には感度は良いと感じている。
問題なのはチューニングスピードとチューニング動作だ。

固定用無線機付属のアンテナチューナーより明らかにスピードが劣る。そちらはチューニング情報を記憶できるのでチューニングさえする必要もない時もあるしその差は歴然。しかし、同じバンド内でチューニングを再度やるのはそんなにストレスではないだろう。7MHz帯でなら一度チューニングが取れたら、他の周波数、例えば端から端へ行った場合、7.000MHzから7.1999MHzに行って再チューンしても10秒程度で終わる。
しかしそれから別のバンドに行ったらな結構時間がかかる。以下参照

このチューニング動作中、無線機から当然ならが電波を出し続けるので、そういう意味でも精神的ストレスがかかる。そして無線機(具体的にはFT-891M)は、無線機を動かす電源装置の電流計を見る限り、チューニング動作中、最大出力(多分50W)で電波を出しているようなので、チューニング時間が長くなりがちなアンテナなので気にかかる。
また、7MHzだと無線機のチューンボタンで出てくる最小SWRと、最小出力5W設定時でマニュアル動作(無線機付属のマイクのボタンでできる)で設定できる最小SWRは、同じ周波数でも違いがある。ハイバンドならほとんど無視していい違いだが、7MHzはこれまでSWRが1.5以下にするのに難儀していたので、この差は気になってしまう。

また、これは無線機の設定なのかもしれないが、チューンボタンでチューニングを開始し、チューニング時間が長すぎてチューニングに失敗すると、再チューンするのにものすごい時間をとってしまう。熱でアンテナ内部の電子回路がおかしくなるのを防ぐためだと思われるが、例えば途中でチューニングをやめた時でも再度チューニングをすると同じことが起きるので使う側としてはストレスだ。
しかし、この辺の説明がATAS-120Aや無線機の取扱説明書にも詳細に説明されておらず、不親切である。まず無線機の機能選択時に出る動作音(「設定しました」とか「ダメ」とか、「意味のない動作ですよ」という意味のようだが)の説明が全くない。機能が豊富なのにその機能ごとのうまくいかなかったときの原因についての説明がないのだ。

例えば電波形式がCWの時にDNF(Digital Notch Filter、要するに自分以外の無線機がチューニング動作時に発するピー音などをカットする機能)は、設定できなくて「ピピッ」という音がすることがから、この音は設定できませんよと意味だとわかった。FT-891のWeb上から取得できる詳細な取り扱い説明書でも、DNFはCWでは使用できないという記述はない。つまり適当に操作してやっと無線機の発するメッセージの意味を理解しなくてはならない。余りにも不親切だ。
不人気な無線機だから説明書がなおざりなのだろうか?それともアマチュア無線家用だから、全くのずぶの素人が使うわけでないのだし、その程度はわかるでしょというメーカーの甘えがあるのだろうか?

追記(2020 8/9):5~6局ほど交信した

今年(西暦2020年、令和2年)は梅雨以降の天候が良くない。基本湿度が低く晴れの日だと遠くへ飛ぶようだ。ちなみに梅雨になる間際にATAS-120A調整中、50MHz帯で北海道からの局が聞こえた。基本的に北海道や東北の局は天候に関わらずよく入る。関西はダメだ。2エリア(静岡など)も結構厳しい。四国の人と59レポート貰った交信があったが、このような事はまれだと思われる。近隣県以外はパイルアップしてる局には絶対に受け取ってもらえないだろう。だから7MHz帯は早朝あたりにCQ出している人しか相手してもらえない。特に私は遠くの局と交信したいので(つまりアンテナの限界性能を確かめたいので)、弱い信号を取ってくれるにはそうせざるを得ない。

アクティブな人は大概強力な信号しか受け取らないようだ。レポート59ばかりを聞く。それならインターネットでもいいではないのかと思うのだが。誰につながるかわからない、おみくじのようなチャットアプリなんて簡単に制作できるだろう。
移動局と交信中、こちらの信号が弱かったから、私が喋った後、勝手に相手が別の人と交信し始めた人がいた。これはショックだったね。交信局数を稼ぎたい移動局は基本的に交信は難しい。

やはりHF帯はあらゆる面において敷居が高い。アンテナの設置が複数の理由により難しく、調整も難しい。広い土地を持ち、大電力局でないと快適に運用できない。

私が交信した中で都市部で運用している人もいるようで、相手側は私の信号が弱くノイズで聞き取りに難儀しているようだったが、こちは信号が弱くてもノイズは無いので聞き取れた。ノイズ発生源はいろいろあるが、周囲の環境もあるだろう。
簡単にノイズ改善できる方法の一つは、電源をスイッチング電源ではなく糞重たいシリーズ式電源に変える事だ。都内で交信した時、余りのノイズのひどさでシリーズ式電源を買い替えたのだが、現在それを使っている。電子工作する際もリップル(脈流)の少ない電源は必要だった。

7MHz帯は夜になると全体が砂嵐のようなノイズに襲われて全く交信が聞き取れない状態になる事がよくある。ロシア語でベラベラ喋っている局だけ聞こえたりする時がある。中国語もある。だからこれらの外国語を操れる事ができればATAS-120Aで海外QSOも可能だと思われる。
とはいえ長距離通信できるHF帯でも天候に関係なく常用できる交信距離は、せいぜい200km程度の様にみえる。設備と場所にもよるだろうが。7MHz帯以外は3.5MHz帯は違うが、基本土日しか聞こえないので何とも言えない。大したことない限界に少々落胆している。
でも山登りで使う分には十分なのだが、ハンディのHF機はもうないのが残念だ。谷底などで交信したいときはHF帯は重宝すると思うのだが。山登りでは、yaesuのFT-817NDでもでかい。しかもこの機種は同社のこのATAS-120Aに対応してない。
(…そんなこと言ってるが私は山登りは趣味ではなく、自分の意思で山登りしたことはこれまで一回しかない(笑)あくまで緊急時の無線の必要性について述べているのだ)

追記(2021 5/30):50MHz帯で鹿児島最南端と交信!

相手(指宿市)も驚いていた。7MHzでも大分どまりだったのに、やはり夏至近くなると電離層が濃くなるようだ(笑)こちらも新潟で沿岸部だからロケーションが良かったのもあるだろう。シグナルは52~57ぐらいでVHFでノイズが少ない分、終始聞き取りにくい事もなかった。リグは以前紹介したFT-891Mで50W出力

交信に必要な慣習、アマチュア無線の従事者減少などの問題について

この文章を書いている時点でまだ実際の交信は1度だけだ。早朝5Wで関東の局としたのだが、聞き取りづらかったようなのか大して会話もせずに終わってしまった。交信者のログに私の記録が残るかどうかも疑わしい。自宅は0エリアなので、関東など1エリアはよく聞こえ、東北北海道もよく聞こえる。関西である5、6エリアはやはり厳しい。HF帯が長距離通信できるとは言え、基本的には7MHzは500kmぐらいが上限の様だ、少なくとも私の環境では。電波状態が悪くなると誰も交信してないので他の人の設備と能力的な差異は無いように感じるが。ATAS-120Aは欲を言えば3.5MHz帯も対応してくれたらうれしかった。7MHzの次に活発なバンドだからだ。

それはともかく、やはりHF帯での交信は機材や設置の面だけではなく、各種慣習の面においても敷居が高い。

最初の問題はQSLカード交換。JARLに加入するのが必須であり、毎回QSOごとに交換するとなれば、正直言って気後れする。JARLの加入自体も敷居が高くする原因となっているとは思うが、それ以上にカード交換は少なくとも私にとってはとてもつらく感じる。年賀状の送付を毎回行わなくてはならないと思うと交信する気が失せてしまうのだ。
まあ、はっきり言って非常通信手段として今回開局したのだしカード交換など考える必要もないのだろうが、仮に非常通信を行うであろう相手はカード交換を行っている相手になるのは確率的に高いのは言うまでもないから、カードを送らない事に少し罪悪感を覚えるのだ。

(追記:8/9 七夕の日にJARLに入会した。2021年3月まで加入キャンペーンとしてJARLのQSLカードが送付される。100枚くらいか。QSLカードの大きさ、紙質は、ほぼハガキそのものとみていい。ただ送られてきたQSLカードは、以下のページに参考として出ているカードの印刷が既にされており、無地ではなかった。裏面には郵便番号欄が印刷されている=>間違い。JARL会員手帳によると外国局宛てのコールサインの記入欄
https://www.jarl.org/Japanese/5_Nyukai/qsl_card.htm

このそっけない形式のカードで済むのならそれでいいと思うが、貰い手は嬉しくとも何ともないのではないだろうか?てっきり無地だと思っていたから、アンテナの写った家の写真でもバックに印刷しようかと思っていたのだが。

各種情報記入だけでは余りにもそっけないので裏面にコールサインと各種情報を記載した家と周辺を写した写真を印刷した。それにしてもこの情報記載は結構面倒。アクティブな人はソフトでやっている人がほとんどだと思われる。また、JARLは送られてきたカードの選別を手作業でやってるそうだし、手書きだと間違われる可能性がある。私の場合コールサインも間違えている可能性もある。省力化のためにコールサイン部分だけでもフォーマットを規格化し機械化するべき)

無線を扱ったYoutuberによると、JARL加入者の9割以上が男で、年齢層は65歳から75歳ぐらいだと言っていた。まあ7MHzを聞いていれば、そんなもんだろうと誰でもわかる。ちなみに先日、女同士で交信しているのは初めて聞いたが。そういう人たちにもしかしたらお世話になるかもしれないのに彼らの慣習には従わないというのは、ちょっと良心の呵責を感じるのだが、余りにも時間、手間、カネがかかってしまうのは見過ごせない。

個人的には電子メールで交換してくれたら楽だと思っているのだが、ベテランは受け付けてくれないかもしれない。電子データなら交信時の写真をバックにしたカードの画像を作るのも訳がないし、郵送する手間もない。JARL加入者は、自身のコールサイン@jarl.comのアドレスが付与されるようなので、そこに画像データを送付して済むのなら喜んでする。こちらなノ―カードで結構なので。

何十年か前、自宅で数局しか交信しなかったと述べたが、その中の一人が自宅から5キロほど離れた東京大学からの交信で、確か東大の紋章がプリントされた青のペラペラのQSLカードが家に来たのを覚えている。JARLに加入していないのにこのようなことができるのは無線従事者情報が誰でも入手できるからなのだろう。これは現代社会では危険な状態だと思っている。特にアマチュア無線家はYoutuberの証言からもわかるように裕福な高齢者が多いのが明白なので、強盗被害のターゲットになりうる危険性を秘めている。私としても正直言って自分の住所やコールサインを表ざたにはしたくはない。しかし活動的な無線家は自身のブログなどでもあけっぴろげな人がほぼ全員と言ってもいい感じだ。だからセキュリティの観点からも私自身は無線に積極的になりにくい状態であるのだ。JARLに入れば会員名鑑というものがあるらしく完全に無線従事者の個人情報はオープンになる。
(追記2020 8/19:JARL入会後、自分の個人情報をどこまで公開するかどうかを指定できるハガキが送られてきた。必要事項を書き、切手を貼って郵便局に出せば完全に秘匿することは可能だ。何もしないと全オープンになる)

無線従事者の減少は、コンピュータや携帯電話の多種多様な通信手段の発達によるところが大きいが、現代に即した改善が必要なのは明白だ。
開局申請にしても大部分がWeb上でできるのだが、最後の最後で免許状を送るための返信用封筒を申請者が送らなくてはならないという、明治時代なのかと言いたくなる程古めかしいやり方をいまだに押し付けている。そもそも開局申請が許可された時点で管轄の役所が免許状を封書で送ればいいだけの事だ。その費用は事前に払う諸費用の中に組み入れればいいだけなのになぜ申請者に理不尽なことを強いるのだろうか?

カード交換はもっと現代的な方法も取り入れるべきだ。いまだに紙で交換が必須なのはばかげている。アマチュア無線と同じ省庁が管轄するの郵便事業でさえ、年賀状の送付にデータ受付ができるようになったのだし、カード交換もJARLが加入者のカードの画像登録できるようにして、交信情報をJARLに送付するだけで交信情報を追加したオンデマンド印刷したものを送付したり、データだけでいい人ならメールなどで送信するサービスがあってもよいのではないだろうか?紙での交換をできるだけ下げる方向にしないと、敷居が高いままで更なる無線従事者の減少になるだろう。利権が無くなるからと渋っていたら更なる苦境を招くだろう。また無線従事者の個人情報はセキュリティ対策上、基本的に秘匿しなければならない。

無線機の技適についても日本のメーカーを優遇するようなやり方はさらなる苦境に追い込まれる。昔の無線機はスプリアス規制に引っかかるから新しいものに変えろという制度は、メーカーと総務省がグルになっていると言われても仕方がない。今回7MHzを聴いているとベテランの方が昔の無線機で申請しようとしたときに色々問い詰められ、いじめられたことを白状していたが、一方で有名メーカーは1.8MHzで新しくSSBで通信できることに関して、無線従事者が再申請しなくても使用できるよう働きかけているという。一見するとユーザー思いなのかもしれないが、メーカー製の無線機は総務省で指定された電波形式や送信可能量周波数帯域以外の電波を送信できてしまうのに技適が取得され、昔の無線機を使うユーザは細かくチェックされてなくてはならないというのは、二重基準以外の何物でもない。これは自動車の税制にも似た問題だが、官僚は基本的に管轄の大手メーカーに甘く、個人には厳しい。天下りの問題が絡んでいるからなんでしょう、構造的問題と言える。
結果、無線従事者の減少はこれからも続くでしょう。でも無線技術の研究、発達のためのアマチュア無線を堅持すれば細々ながら存続するだろうが、正直言って希望的観測だ。

携帯電話会社がしのぎを削って開発している効率的な無線通信を超えるものがアマチュア無線の中から出るのであれば、またにぎやかになるだろうが、現時点では考えられない。
既に亡くなった、世界初のICを使った電卓を開発したシャープの元副社長(佐々木正氏)が、
テレパシーや念力といった、これまでは人知を超えた世界だと思われていたような現象も、科学の力で人類の未来にどのように活用していくかという発想が、これからは求められる。
と述べている。

このような視点を持って実験、研究するするアマチュア無線家が出てこない限り隆盛は無理でしょう。それ以前に現代でもテレパシーを否定する理系の人間は特にたくさんいるだろうし。
私が知っているテレパシーの知識では一番初歩的なものでも伝達範囲が3光秒、つまり約90万キロメートルだ。つまりテレパシーの技術を応用すれば携帯電話の基地局はいらなくなる。また波長は耳の器官に関連するそうなので10センチ以下か?今の携帯電話の使用周波数以上の高い周波数だろう。なのに長距離通信が可能になる。これは無線に興味のある技術者にとっては興味を引くテーマではないだろうか?マクスウェルの電磁波方程式では表せない世界があると言うことだ。