Panasonic CS-229CFR:全くの素人によるエアコン設置のレポート。覚えている限り失敗を全て記載したので自分で設置する人は参考にしてほしい
Panasonic 6畳エアコン amazon.co.jp
(末尾にRが付くのとつかないのは基本的差異はない。Rは量販店用モデルのようだ。)
(記憶が薄れないうちに記述しておく。雑な部分も全部さらしたので、全くの素人がやるとこうなる事を見て参考にしてほしい)
台所にエアコンがどうしても欲しくなった。去年の夏、梅雨明け後は大したことない夏だと思ってたが徐々に天候が酷くなり、冬になるまで暑さに悩まされた。その時いちばん堪えたのが台所での食事の支度と、そこでの食事だ。まるでボイラー室にいるかのような暑さで、最初は扇風機でしのごうかと思ったが、熱風では全く意味がなかった。それで仕方なくエアコンを設置しようと決めたのだ。
去年12月頃、家電量販店に行って上記の事情を話して家の間取りなども話したら、やたら値段の高い奴を勧めてきて、夏場のエアコンを考えているのに「ここは冬は寒いので高性能なエアコンが必要」などと言う顧客の要望を全く無視したセールストークをしてきた為、カチンときてそこで買うのはやめてしまった。住んでる所が寒いのか暑いのかはわかりきっているに決まってるじゃないか。私がここに越してきて間もない人間だと思ったのか?
上新電機は時々変な奴を採用しているのが目立つ。何であんな石頭みたいな男を接客に出すのか全く不明。また、エアコン工事も標準工事を含めた販売価格では賄いきれないと言ってきたのも上新電機で買わなくなった理由の一つだ。それは理解できる。エアコン専用コンセントがなく、穴を二つ開ける予定で配管は長いからだ。あとで計ったら5mは必要。普通、量販店の工事費込みの価格は4m以内だ。
その後、私は面倒だが自分で設置してみようかという気持ちに傾いていった。できるだけ安くしたいと思っていたからだ。そして約1ヶ月後、設置は別の業者に頼むから安くしてくれと言ってヤマダ電機で本体だけ買った。当初8畳用を買おうと思ったが、家で型番を調べたら6畳用。店員に「8畳用ですよね」と念を押しても、ろくな返事をしてこなかったのだが、大丈夫だろうと高をくくっていたのが仇になった。仮に差額分を払って8畳用にしても能力にたいした差もなく、特に冷房に関して言えば今の時代十分すぎる能力なので最低ランクでも大丈夫だろうということで、ヤマダ電機にクレームを入れるのはやめた。型番を確かめなかった私の落ち度もあると思っているのも理由だし、エアコンの値段は大した能力差もないのに上のクラスになると急激に値段が上がるのも理由だ。
しかし、実際最低ランクでも大丈夫かどうかはこの文章を書いている時点(4月21日)では不明だ。
(追記:8/27
今年(2020年)は梅雨明けが8月にずれ、エアコン設置しても意味がなかったのではと思ってたが、例年通り台風が熱い空気を運んできたおかげで残暑が厳しく、台所にエアコンを設置した甲斐があった。約15㎡の台所だが6畳用エアコンでも十分な能力だ。熱源がある部屋ならさらに性能の良いエアコンと、高いものを売りつけようとし上新電機の販売員のセールストークに引っかからなくて良かった。これで真夏でもコンロを長時間使用する料理をしても、暑くてぐったりすることにはならない。6月頃に工事不要のエアコンの記事が出て、「やられた!」と思ったが、高い場所に設置してあるエアコンは風を水平にすれば部屋全体が涼しくなりやすく本体が邪魔にならない位置にあるので、工事した意味は十分にあると思っている)
設置場所の選定
これは各家庭によって事情がまちまちだから、ここで詳細に書いてもあまり参考にならないかもしれない。
台所にエアコンを設置する場合、通常、家の外壁側に設置するのは難しい場合がある。鍋などを収納する棚が大きくスペースを取っているからだ。自宅は天井が高いのでその棚の上に設置もできなくはないが、その棚の奥行きがかなりあるので、エアコン本体を壁に設置できずに前にせり出して置かざるを得ない。もちろん、こんな不安定なことはできないので、台所と土間の間にある壁に設置することにした。
両者を隔てる壁に丸穴を作って土間側に配管を出し、その配管を90度曲げて壁を伝って土間側から外壁へ穴を開ける。土間側の見てくれはどうでもいいので、配管のカバーは最悪つけなくても構わない。配管の色やそれに巻き付けるテープの色、壁の色も白系の色で目立たないのが理由だ。
金属の据え付け版の位置決定
エアコンを取り付ける際に必要な、金属の据え付け版の位置の決定はかなり時間がかかってしまった。この金属板にエアコンの全重量が乗るので(正確にはそれを固定する木ねじなのだが)、最低限壁の内側に硬い板(筋交いなど)が通ってないとエアコン本体が落下する可能性がある。普段部屋から見ている壁は数センチ程度の厚みしかなく明らかに耐久力がない。マンションなら躯体のコンクリに打ち付ける必要があるかもしれない。
しかし一方で、その金属板の近くに配管を通す穴も開けなければならない。この穴を開けるところは逆に壁の中に何もないのが望ましい。
Youtubeでエアコン設置ビデオなどを参照すると、配管の穴あけ位置の選定は筋交いが明らかに無いであろう、壁のコーナー付近を避ければよいと説明している人がいるが、自宅の場合、壁の中心部分であり問題ないのだが、設置予定場所の真下に土間と出入りする戸があるので、どんな構造になっているかは全く分からない。
幸い、自宅は平屋で屋根裏が比較的広いので屋根裏から構造をある程度見る事ができる。しかし、硬い板が通っているかはすぐにはわからなくて、屋根裏から設置予定場所の壁の隙間に手を突っ込んだら硬い板が通っていることを突き止めた。しかしその位置や大きさが台所から見て全く分からない。最低でも金属板を固定し、板に付ける木ねじの位置は、必ずその硬い板に到達しなければならない。正確にその硬い板の上方部分の位置を台所側から知る必要が最低限あった。
(屋根裏から台所に向けて基準となる穴を開けてしまう方法もあったが、それだと一つ余分な穴を開けてしまう事になるし、そもそも手しか突っ込めない狭い場所なので穴を開けるほどのスペースはなく、それに対応した工具もない)
それを把握するのに最初、屋根裏から設置予定場所の壁の隙間にラジオが鳴った状態のスマホを入れ込み(スマホは平たいから手が突っ込める狭い場所にも入り込めるので)、そのスマホにエアコンを支える内部の硬い板の上に乗っけることにより、台所からその板の位置を把握しようとした。確かにある程度はわかったのだが、音だと反響する部分が多くて数センチの違いは判らない。設置位置は穴あけ部分もあり、大雑把な位置の把握ではだめだ。
そこで、スマホの代わりを小さなLEDライトにし、ライトをつけた状態で、台所からAMラジオを付けてそれを手掛かりに正確な位置を特定した。つまりLEDライトが出すノイズをAMラジオが拾って、そのノイズが一番大きな位置がLEDライトのある位置であり、その少し下が硬い板だと特定できるわけだ。これだと、反響の問題もなく、ノイズの変化が急峻なので正確だ。
それでやっと、金属板の取り付け位置を決定できた。同時に、屋根裏から硬い板のない場所もわかったので配管の穴あけ位置も決定した。問題の硬い板の幅はいまだに不明だが、打ち付ける木ねじの位置は、金属板の上部(つまり硬い板の上部)だけにしたので結果オーライだ。一応、横一線に木ねじを打ち付けては無く、ある程度幅を持たせてある。
専用コンセントの設置
エアコンは大電力消費機器なので専用コンセントが必須である。しかし実際は特に今回設置する最低ランクの機器では共用しても問題ないのではと思っている。悪質な量販店は既にあるコンセントを延長して専用コンセントをこしらえるところもあるみたいだし。自宅に限って言えば、共用する部分で常に稼働している電気機器は浄化槽のポンプだけ。ほかに使う機器は洗濯機、風呂用湯沸かし器。これは灯油が燃料なので消費電力はたかが知れてる。これらの機器とエアコンを同時使用するときがあるとすれば余程忙しい時だ。しかし、それでも大事を取って専用コンセントを設置した。
これは電気工事士の資格が必要というが、実際の工事の難易度はエアコン設置よりはるかに楽だ。なのにエアコン設置は個人でも法律上OKとなっている。
必要な作業は、エアコン設置する同じ壁にコンセントの電線を屋根裏から通して、電線を配電盤につなげるだけ。その際ショートする危険から大元のブレーカも一旦落としたが。
実際の配線は、配電盤の裏側に電線を通そうと思ってもできなくて、仕方なく配電盤上の天井のコーナーに穴を開けて通さざるを得なかった。その際に天井の一部を破壊して穴を開けてしまった(笑)。この天井上の屋根裏のスペースは非常に狭くて体を入れるのは大変なのだ。まあこれも土間にある所で、見てくれは気にならないが後で補修する。
配電盤にはもう新たに専用のブレーカを設置できる場所はなかったが、使用していない座敷用エアコンの専用ブレーカがあり、それと交換したことで配電盤に関する限り追加費用はゼロだ。必要だったのは、1.6mmVVFケーブル10m(1380円)、コンセント(300円くらい)。以下参照
確定はしてないが、後で太陽光発電も追加しようと思っているので、その際はもっとたくさんブレーカーを積み込める配電盤を買う事になるだろう。とりあえず今回は安上がりにすることを優先とした。
ちなみにVVFケーブルはアースケーブルなどと違って、細い線が束になっているのではなく一本のぶっとい銅線だ。なので結構固くで取り回しも難しい。特にエアコン本体と室外機をつなげる3本線の電線(わざわざ三相交流にして繋げてあるとは)も同様であり思い通りにするのは難しかった。その代わり、皮むきは一本線なので細い線が切れる心配がなくOLFAなどのカッターで簡単にできる。普段使っているニッパーは逆に使いづらかった。Youtubeのエアコン設置ビデオでは専用の工具で一瞬で終わらせてるが。
エアコン本体に室外機とつなげる電線とアースケーブルをつなげる。
この作業は工事説明書によればエアコンを設置版に設置後に作業すると説明してありますが、私は管を通す穴を左側に設置することにしたため、その場合、後でケーブルを引っ張るのは難しいと考えたため、エアコン設置前に行った。銅管や電線が重くて硬いので取り回しを後でやるのは難しいと判断したためです。
仮に右側に管を通すにしても、電線はエアコンを設置版に設置する前に繋げた方が楽だと思います。電線が硬いので、かなりの力で電線をエアコンに押し込む必要があるからです。それを高い場所に設置してあるエアコンでやるのは大変でしょう。アースは取り付けない業者がほとんどの様ですが取り付けました。配管が洗濯機の近くを通す予定で、そこにアース端子があるからそれに繋げればいいだけですので。ホームセンターに売ってますが、エアコン本体とは圧着端子を使って付けた方が楽に繋げられます。結構スペースが小さく、アースケーブル内の銅線だけでは取り付けに難儀するはずです。
配管を通す穴あけ
今回は外壁に穴を開けるほかに台所と土間を仕切る壁にも開ける。これはamazonで買った直径7cm の円形のカッターを使用した。
しかし今回使ったものは穴あけ方向の幅が短く、深い穴を開ける事ができない。なので最終的にはこの工具でカットできる限界に達したら、トンカチで削った中をかち割った。業者が使っているのは円筒形と呼べるほど長い奴だ。それを使うことができるならそちらの方が良い。
エアコン用配管その他一式のセット購入
エアコンの配管(銅管と排水のドレン管)とその他エアコン設置に必要なセットをアマゾンで購入した。5m分で5000円だった。
後で気が付いたが、ホームセンターでもエアコン関連部品は売っており、そっちで買えばよかったかもしれない。amazonで買ったものはドレン管の長さが5mに達していないので1.5m分をホームセンターで購入した。200円もしなかったと思う。また、室外機の下に置く「下駄」もホームセンターに売っていた。これも200円ほどでamazonで買うべきではなかった。
エアコン用銅管のエアコン本体への取り付け
冷媒を通すエアコン内部の2つの銅管はなぜか長さが同じではない。理由があるのだろうが、これにより購入した5mの銅管を2つに分離しなくてはならなかった。もし同じ長さなら、そのまま断熱材でくるまれた1つの銅管として扱うことができ、穴に通するのも楽だったと思うし、最終的に室外機に取り付ける際、長さが食い違ってるので片方を切って長さをそろえ、再度フレア加工をする必要がある(実際は既に購入時点で加工を施してあるフレア加工を再度自分でしたくなかったので私はそのまま取り付けた。)。
そして、これらの銅管とエアコン本体とをつなげるにはトルクレンチという特殊な工具が必要である。今となっては正直な所、一番でかいモンキーレンチできつく締めればいいかなと思っているが、冷媒が通る部分の取り付けは一番神経を使うべき所なのでトルクレンチを使用した。これはエアコン専用の奴が2本入りで1万ほどで売っているが、私はこれも含めた工具一式をヤフオクで借りることにした。
(ヤフオクで ”エアコン 真空ポンプレンタル”で検索するとたくさん出てくる)
後に作業を行ったエアパージに必要な真空ポンプなどにしても、この作業のためにわざわざ購入するにはあまりにも高価だからだ。代金は全送料含めて総計4000円ほど。購入したらその10倍はかかる。
このエアコン用トルクレンチは実際に手にすると結構ごつくて、必要な締め付けトルクは結構力がいる。余りにも力を入れ過ぎると管がぶっ壊れると言う恐れから、力を入れなかったからかもしれないが、最初かなり力をかけても力が抜けずに「カクッ」としないので、このトルクレンチはちゃんと機能してないのかと思うほどだった。家にある一番大きなモンキーレンチで思いっきり力をかけて達成できるほどの力が必要だ。
2つの銅管を穴に通して、エアコンを金属製の据え付け設置版に設置する
エアコンの冷媒を通す銅管は非常に重くて硬い。これが一番の想定外の事であり一番苦労した原因だった。まず思ったように曲がってくれない。硬くて長く重いので、穴に管を通す作業は思いのほか苦労した。
もしこの銅管で苦労したくないのなら、取り付け作業は二人以上で行うことを強く奨めます。特に管をエアコン左側から出す場合は右側から出すより難易度が何倍にも上がります。なぜなら、管は本体右側から出ているからであり、左側の穴を通して出すにはエアコン内部で管を90度曲げる作業が発生するからです。これを2本の銅管それぞれやるのですから非常に面倒。基本的に一人だと不可能だと思ってしまうほどです。
しかし私は一人でやりました。最初はエアコンを抱えて強引に穴にぶっこんでそこで曲げようとしたところ出来なくて、方法論が見つからずエアコンを何十分抱えたままで体力を大幅に消費してしまった。
結局エアコンを支える第三の手が必要と言うことで、家にあるテーブルを3段上に積み上げて、配管を通す穴とほぼ同じ高さのテーブルにいったんエアコンを置いてそこで硬い銅管を曲げて何とか穴に通すことに成功し、エアコンを設置版に付ける事が出来ました。
実はその作業の前にエアコンを設置版に仮止めしていましたが(そうしないとテーブルを積み上げて置くことができない)、その際は曲げる事が出来なかった銅管が下に飛び出てエアコン本体の下桟(本体底面)のプラスチックをひん曲げる状態にしてしまった。この失敗により、この下桟は今でもひん曲がったままであり、見た目が悪くなってしまった。
また、この下桟部分は、エアコンに同封にされていた据え付け工事説明書によると、外すことができ、今回行った左配管にする際に「下桟を外した方がやりやすい」と記載されていた。これはもっと積極的に外した方がいいと記載してもらいたかった。また、なぜそうした方がやりやすいのかも記載してほしかった。これは世のマニュアル全般に対する私の要望だ。
下桟のプラスチックを外して作業したなら、わざわざエアコンを置くために何台もテーブルを積み上げることなく、エアコン本体を据え付け金属板に仮止めしながら下の方にひん曲がった銅管を平らにしてエアコン内に押し込むことも可能だったでしょう。
また、あけた穴にプラスチックのカバーもつけておけばよかった。amazonで買った5mの配管セットにも1つ入っていたが、最低でも1つの穴に2つ必要だ。加えて穴の中にも円筒形のプラスチックも部材メーカーから出ているが、それもつけた方が良い。ホームセンターで見たのだが1000円以上したので必要ないだろうと思って買わなかったがそれは失敗だった。理由は、まず重い配管で少しでも動かしたら壁の一部がはがれてゴミが出るし、虫が入り込む余地が発生するからです。
加えて左側に管を通すようにするには、本体に取り付けてあるドレンホースを右側から左側に付け替える作業が発生します。この作業は中のパッキンらしきゴムもレンチを使って取り換えるのですが、うまくいかずに苦労しました。これも下桟を予め外すと簡単にできるようですが、これは据え付け工事説明書ではなく、本体前面に張り付けてある工事説明書に書かれてあるので見逃していました。
壁に穴を開け配管を通し、壁にカバーを取り付ける
土間内に通した配管は最終的に当然ながら外へ出さなくてはならない。そのための穴も開けなくてはならないが、全く使ってないコンセントを取り外しそれを利用して配管に通すことにした。ちょうどいい場所にあった。普通なら配管を見せたくないため、室内の配管の長さは最短にして外に出すようにするのが普通だと思うが、今回の工事は土間側に配管を出したため、土間側は少々見た目が悪くても問題ないのでそちらに多くの距離を使い、室外機側にある配管は最小の距離にした。そうした方が空調の効率が外の天候の影響を受けにくいし、もちろん配管全体の劣化もある程度は軽減してくれるだろう。
コンセントの穴だから、穴は四角だ。でも45度の配管カバーのジョイント(イナバ製)がうまく入り込んでくれた(笑)
外側は同じイナバの同色のカバーと蛇腹をくっつけ、(以下参照)
あとはテープで巻いただけ。配管や電線の長さをそろえる加工はしたくなかったので、はっきり言って見た目は悪い。テープを巻いた部分は劣化が激しくなると思うので、同じメーカーの蛇腹を買って縦に切り込みを入れて上からかぶせてしまおうかと思っている。当然ながら配管の長さをそろえて室外機と配管と取り付ける前にその蛇腹を通した方が良かったのは言うまでもない。
エアパージと試運転
これまで苦労したのは配管の這わせ方であり、専用コンセントの設置の際の配電盤に繋げる電線を通すことであり(これは壁の中を通せず表に出して妥協)、エアコンの設置だった。
このエアパージ作業は体力は消費しなかったが、頭を悩ませ苦労した。そもそもなぜその作業が必要なのか全くわからないし、配管を通る冷媒が最初どこにあり、どうやったら外に抜けてしまうのかいまだに理解してない。エアコンの基本的な仕組みはいろいろなホームページで解説されているが、実際の機器を使った解説は見つけられなかったのでいまだに判然としないのが正直なところだ。
だから、何をやったらいけないのかが全く分からない。内部の仕組みが分かっているなら、厳禁である操作もわかるだろう。しかしそれがわからないからうまくいっているか自信が無いのだ。
工事説明書は「エアパージをしてください(温暖化防止のため)」と書いてある。つまりエアパージをしなくてもエアコンは動いてしまうことを示唆しているのだ。これは私の心を迷わせる言い方だ。
ともかく、私はエアパージを行った。
借りてきた真空ポンプとそれに取り付けてある計器はデジタルであり、エアコンの工事説明書で説明してある2つのアナログ計器とは違うため、借りてきた真空ポンプと計器の説明書に従ってエアパージを行った。
計器の数値が-0.1MPaにならないため、もう一度借りてきた説明書を読み返しもう一度最初からやり直した。それでも-0.1MPaにはならなかった。-0.98ぐらいで止まった。私はどこかから漏れがあったとしても漏れた部分は既に加工を施しているフレア加工部分なら、もうなすすべがない思いそれで良しとしてしまった。その部分は取り付ける寸前まで外に出してなく、その部分の加工がおかしいとは考えられず、別の部分が漏れてるなら配管全部がダメであり、最初からやり直しになる。しかしそれは今までの苦労がすべてパーとなり考えたくはない。
漏れ検知スプレー(石鹸水でも代用できるとのことだが)にかけても接合部分に漏れはないのも確かめたので、とにかくそれはそのままにして先に進むことにした。
すぐに更なる不安要素にぶつかった。工事説明書に「二方弁、三方弁を開く」と書いてあった。「何?閉めるのではなく開くのか?」私はその時、工事説明書に書いてあるそれらのバルブはそれぞれに取り付けてある金属キャップだと勘違いし、軽く緩めるだけにしてしまった。
試運転をした。15分しても何もエラーが出ないなら問題ないという説明なので成功したと最初は思った。でも本当にうまくいったという確信はなかった。しかし数日後、現在の室温が15度で設定温度が20度なら間違いなく温風が出ると思ってエアコンの電源をONにした。取り付けた直後は気温が高く、設定温度と近いため温風が出なくても疑問には思わなかったのだが、どうも腑に落ちなかったのだ。
結果はやはり温風は出なかった。室外機の音に耳を澄ますと、ファンの音がある程度大きくなるのだが、ある時点になると回転をやめてしまうのだ。
自分でエアコン設置すると心に決めた原因であるYoutubeの動画を再度見直した。なんと、二方弁、三方弁にレンチを突っ込んで回しているではないか!(以下そのビデオ。再生位置はレンチを突っ込んでる二方弁がすぐに出る)
はっきり言ってものすごく腹が立った。そんなことはエアコン付属の工事説明書には記載されてない!二方弁、三方弁を全開にするというのはそういうことだったのか!
まさかあの部分は穴がぽっかり空いているのではなく、レンチを回す場所があるのだ!
知っている人間からすれば何馬鹿なことを言ってるんだと苦笑するかもしれないが、全く知らない人間からすれば工事説明書の説明では単に全開にしろと書いてあるだけで疑問に感じてしまうのだ。
二方弁、三方弁などいうバルブは誰でも知っているようなポピュラーなものではない。ポピュラーなものは水道の蛇口ぐらいなものだ。今回初めてこれらのバルブを知ったが、見た目からしても非常にトリッキーな構造だ。
このパナソニックエアコンの工事説明書は少々説明不足があるなとは薄々感じていたが、これは明らかな記載ミスとしか言いようがない。
最低でもレンチを使って全開にすると一言書くべきだった。(以下その部分の工事説明書の写真)
一方で工事説明書だけ見ていれば大丈夫と過信してしまった自分自身に憤ってしまった。
「本書の記載事項に従って工事をされなかったことが原因で生じた故障、事故などは保証の対象にはなりません」
と工事説明書には書いてあるが、必要な説明がなされていな時点でこんな自己擁護の弁明は無効だ。知っている人間ならまずこの説明書は必要ない。
まず、なぜエアパージの必要性を簡潔に述べ、どのような操作を行ったら冷媒が抜けてしまうのかぐらいの説明が必要だ。
加えてこのエアコンの自己診断プログラムも判断誤りがあり、欠陥があるのは明白だ。エラーが出ないのにエアコンはちゃんと作動しないのだから。
この重大な誤りに気が付いた日は怒りで寝つきが悪かった。
翌日、二方弁、三方弁にレンチをぶっこんで半時計回しにして全開にした。これらの真鍮製キャップは後で軽く締めた。レンチの大きさは4mmだ。自転車用の工具箱にあるものを使用した。
調べたホームページの情報によれば、三方弁のサービスポートは自転車の空気入れの部分と同様、中心部分を押すと中の気体が抜け出す構造らしい。つまり金属キャップを付けようが付けてないだろうが関係なく中の冷媒は抜けることはない。私はその部分をいじったりしてはいないので多分大丈夫だろうと少し安心した。
緊張しながらエアコンを稼働させ、明らかに温風が出るような高い温度設定にした。今度は室外機のファンが急に大人しくなるようなことはなかった。数分後やっと弱弱しいながらも温風が出始めた。まあこれは既に家にある同社製の6畳用も同じような感じだから問題ない。
数日後、比較的気温が低かったので再度暖房として使うと、十分と言える温風が出てきた。15㎡程度の部屋だが、真冬でない限りは十分使える性能だろう。
やっと肩の荷が下りた…
今回は暖房はうまくいったことは確認したが、肝心の冷房はまだだ。。そして計器の値からしてエアパージは完璧でないのが明らかなので、それがこれからどう影響してくるのか心配である。
他に必要な工具
AC電源の安い奴でいいから絶対一つあっても損はしない。今回は穴あけに使ったから必須の工具だが、固くしまったネジを開けるのにも重宝する。トルクを何段階か変えられるので、ちょうどいいトルクにすると、カタカタ言いながらも硬くしまったネジを開けられる。車のクラッチの様に滑らせながらエネルギーを伝達するのと同じことだ。以下参照
300mmモンキーレンチ
銅管を締める際に必須。サイズが小さいと力が入りにくいのででかい方がいい。自宅にはすでにあったが、これはビルトインコンロのガス管を外す際に必要だった。以下参照
6角レンチ
自転車用の工具箱にあったのでそれを利用したが、無い人は必要。4mmは二方弁、三方弁を回す際に必要。
他に、水準器、銅管を切り、サイズを整えたければパイプカッターが必要です。
その他高価でポピュラーでない工具は、ヤフオクの真空ポンプ貸し出しでだいたい揃うはずだが、一応工事説明書で必要な工具をここに上げておきます